ワイルド・スピード ICE BREAK
映画『ワイルド・スピード ICE BREAK』(ワイルドスピード8 アイスブレイク)の感想&レビューです。前半はネタバレなし、後半からネタバレありとなっています。

原題:Fast & Furious 8 
製作国:アメリカ 
製作年:2017年 
日本公開日:2017年4月28日 
監督: F・ゲイリー・グレイ 

【個人的評価】
 星 6/10 ★★★★★★
 

あらすじ

これまで数多の困難なミッションに挑んでいくなかで絆を深めて強くなっていったドミニクを中心とするチーム(ファミリー)。ところが、誰よりもファミリーを大切にしてきたはずのドミニクが突然チームを離れてしまい、ホブスやレティ、ローマンたちはドミニクを取り戻そうと奮闘する。

ガス欠しないどころか加速する!

莫大な興収を叩き出して大ヒットするアメリカの映画は「アニメ」と「アメコミ」ばかりだとよく揶揄されます。

そんな映画事情において「そんなこと知るか!」と言わんばかりに、もう誰にも止められない勢いで独断暴走している奴らがいます。

それが『ワイルド・スピード』シリーズです。

日本よりも一足早く世界各地で公開された最新作『ワイルド・スピード ICE BREAK』は、『スターウォーズ フォースの覚醒』を抜いて世界オープニング興収新記録を達成したと発表。2000年から始まり、本作で第8作目を迎えるシリーズですが、低迷するどころか、大ヒットを更新し続けるというのは、ちょっと他のシリーズものでは考えられない。「アニメ」でも「アメコミ」でもないオリジナル作品なのに。しかも、最初から有名俳優を起用しているわけでもなく、どちらかといえばマイノリティなメンバー構成なのも面白いところ。

そんな『ワイルド・スピード』シリーズ最新作である本作。どんな感じかというと、“いつもどおり”です。いや、“いつも以上”かもしれない。シリーズをよく知らない人のために説明しておくと、このシリーズは非常に知能指数の低い「バカ映画」です。車でハチャメチャなことができれば良し!みたいノリ。難しく考えたら負けです。そして、最新作ではそのバカさに拍車がかかっています。シリーズファンは期待してください。とくに“ドウェイン・ジョンソン”と“ジェイソン・ステイサム”が輝いてるんです…(“頭が”じゃないですよ)。

シリーズ未見の人は本作を観て付いていけるか心配かもしれませんが、たぶん大丈夫じゃないかな(テキトー)。いかんせん「バカ映画」ですからね、ノリが大事です。

一応、過去作を一言で振り返ると以下のような感じ。

1作目『ワイルド・スピード 』(2000年)
 ⇒ドミニクとブライアンが出会った!男の友情! 
2作目『ワイルド・スピードX2 』(2003年)
 ⇒ブライアンひとりで頑張る!スピンオフだと思って良し!
3作目『ワイルド・スピードX3 TOKYO DRIFT』(2006年)
 ⇒へんてこ東京で高校生に見えない男が爆走!スピンオフだと思って良し!
4作目『ワイルド・スピード MAX』(2009年)
 ⇒ドミニクとブライアン、男の友情をさらに深める! 
5作目『ワイルド・スピード MEGA MAX』(2011年)
 ⇒ブライアンがパパになる!やったね、祝い金ゲットしよう!
6作目『ワイルド・スピード EURO MISSION』(2013年)
 ⇒FBIのホブスと男の友情を深める!元カノのレティも仲間に復帰!
7作目『ワイルド・スピード SKY MISSION 』(2015年)
 ⇒ライバルとなるデッカード出現! ブライアンが卒業…。

↑全てはここから始まった。

ペーパーな初心者でも大丈夫。『ワイルド・スピード 』の世界へいつでもおいでよ!の精神で誰でもウェルカムなので。今日からあなたもファミリーの仲間です。






↓ここからネタバレが含まれます↓





なんかもう色々凄すぎて…

シリーズファンなら周知のことですが、1作目から主人公・ブライアンを演じてきた“ポール・ウォーカー”が事故で無くなり、リアルでファミリーメンバーを失ってしまった本シリーズ。前作『ワイルド・スピード SKY MISSION 』のエンディングはその追悼も込めて、シリーズでも随一なほど切ない感動的演出を見せてくれました。

この喪失感と“しんみり”ムードを抱えて、最新作をどう観ればいいのか…ちょっと心配でした。

ところが、本作は「そんなものなかった」かのように平常運転(速度オーバー)。そもそも、シリーズで一番主人公らしい“The主人公”なキャラクターだったブライアンがいなくなった今、残っているメンバーは正直“イロモノ”揃い。そりゃあ、いつも以上にハチャメチャになるわけです。まあ、結果的に良かったとは思いますが。

とくに大暴れなのが“ドウェイン・ジョンソン”と“ジェイソン・ステイサム”のハゲ二人。生き生きしていました。

まず“ザ・ロック”こと“ドウェイン・ジョンソン”演じるホブスは、序盤からハカを子どもたちと踊り、なんか楽しそう。そして、刑務所での乱闘(一方的)です。筋肉でゴム弾をはじき返すとか、完全に筋肉バカキャラなんですけど、もうこのシリーズでもそういう扱いでいくんですね。確かにホブスが仲間になる過程は過去作でやりましたから、もう好きに自分を解放していいんですが。終盤も氷上を滑る魚雷を素手で受け流すとか(そもそも氷上を魚雷が滑っていること自体がおかしい)、解放しすぎです。

そして、“ジェイソン・ステイサム”演じるデッカード。前作では『ワイルド・スピード』主人公ファミリーの最大の敵という位置づけだったのですが、今作ではすっかり叔父さんみたいなポジションに。あの…仲間になるの早過ぎませんか? でも、楽しそうだからいっか…。今回のデッカードは空を飛んで子守をする担当。この“子守しながら戦闘”は車が絡まないアクションシーンですが、一番アホな場面かもしれない。ここだけメカニック ワールドミッションの続編と言っても問題ないくらい。最高のウィンクでした。

ワイルド・スピード ICE BREAK

“ヴィン・ディーゼル”演じる主人公ハゲのドムも負けてません。“車・綱引き”とか実にアホらしく豪快。赤ん坊をデッカードが回収したあとの、ファミリーに戻れるとわかった瞬間の嬉しそうな顔がすごく良いです。なんだよ、やっぱり一緒にいたいんじゃないかよ、可愛いな…。

逆にハゲ3人が目立ちすぎて、他のメンバーは霞んでしまった気がしないでもない。とくに“スコット・イーストウッド”、「お前、誰」感が残ったままだった…。

あと、本作の敵である“シャーリーズ・セロン”演じるサイファーは、敵にしては脅威のド派手さが足りないなと思いました。やっぱり、あれかな。スキンヘッドにして、ウォーボーイズ集団を連れて爆走しないとダメかな…。次作で大幅強化を期待です。

赤ん坊“ブライアン”が加わり、ファミリーにハゲが増えたことで(いや、髪の毛はすぐ生えるけど)、どうなるのか楽しみです。さすがに赤ん坊が車を運転したりはしないと思うけど(たぶん…)。

シリーズはあと2作が作られる予定とのこと。9作目は2019年、10作目は2021年に公開です。あとホブスとデッカードのコンビのスピンオフも作られるとかなんとか。

それにしても、こいつらの暴走を止められる奴いるのでしょうか? もう敵なしですよ。『ワイルドスピード vs アベンジャーズ』の対局を用意する必要がありますね…。

あと、“ヴィン・ディーゼル”と“ドウェイン・ジョンソン”の不仲疑惑も気になるところですが、リアルでファミリー崩壊とか、そんなオチはやめてね。

(C)Universal Pictures