シャークネード5 ワールド・タイフーン
映画『シャークネード5 ワールド・タイフーン』の感想&レビューです。前半はネタバレなし、後半からネタバレありとなっています。

原題:Sharknado 5: Global Swarming 
製作国:アメリカ 
製作年:2017年
日本では劇場未公開:2017年にDVDスルー
監督:アンソニー・C・フェランテ 

【個人的評価】
 星 5/10 ★★★★★

あらすじ

シャークネードの脅威から何度もアメリカを救ったフィンは、ついにその功績が認められNATOによる「シャークネード戦略会議」に召集される。会議が開かれるロンドンを妻エイプリルと息子ギルと共に訪れたフィンだったが、そこへかつて共にシャークネードと戦ったノヴァから連絡が入る。しかし、それは世界の混沌の始まりでもあった。

ネタバレなし感想

親方!空からサメが!(5回目)

2017年ももうすぐ終わり。映画好きの皆さんは、今年観た映画のベスト10でも決める頃ですね。でも、あれです、実は隠れた名作を見逃しているなんてことはよくあります。とくに劇場公開されないビデオスルー作品でも素晴らしい映画があったりするものです。そう、例えば『シャークネード5 ワールド・タイフーン』、観ました? えっ、観てない? いやいや、ベスト10に入るかもしれないですよ? まあ、私は本作をベスト10には残念なことにランキングしないけど…。人によってはね、ほら、心にクリティカルヒットするかもだし…。

ということで『シャークネード5 ワールド・タイフーン』。ご存知「シャークネード」シリーズの第5作です。「シャークネード」シリーズを知らないという人は、前作『シャークネード4(フォース)』の感想記事で簡単に説明したのでそれを見てください。
『シャークネード4(フォース)』感想(ネタバレ)…いろいろ覚醒しすぎて意味がわからない
4作目となる前作では、『スター・ウォーズ フォースの覚醒』のパロディとなっているタイトルのとおり、本当に「覚醒」してしまったシリーズの流れを変える一作でした。具体的には、脅威となるシャークネード側は炎や雷、放射能といった“属性”という武器を手に入れ、攻撃方法がアホみたいに多彩になりました。サメなんて飾りです。加えて、主人公勢側も覚醒してしまい、メインのフィンは伝説と化し、その妻のエイプリルにいたっては人間を捨てました。もうサメ以上に怖いです。一方の一般市民は全く覚醒もせずバカばっかりなんですけどね。

その続編となる本作、どうなるのか。これがまさに『スター・ウォーズ 最後のジェダイ』と同じくシリーズの伝統を破壊する衝撃的展開を迎えます。これは賛否両論…かなぁ? よくよく考えればこのシリーズに伝統なんてあったのか、どっちかといえば既存の概念をぶち壊すことしかしていなかったような気もする…。とにかく今作のスケールアップは、頭、オカシイです。

あと、宣伝もされているとおり、今作は世界が舞台で、ちゃんと日本も登場します。やった! ようこそ! シャークネード! それに『KUBO クボ 二本の弦の秘密』と同じようにしっかり日本リスペクト溢れる内容になってますから(すっとぼけ)。
『KUBO クボ 二本の弦の秘密』感想(ネタバレ)…ライカ、この名前だけでも憶えて!
本作を観ないという選択肢をとる人は新年早々サメに喰われます。

以下の予告動画は相変わらずネタバレしかないので気にする人は注意です。






↓ここからネタバレが含まれます↓





ネタバレあり感想

なぜいつもサメなんだ

B級映画が地味に成功して儲かってしまうと、こういうパワーアップを遂げるのか…と実感した本作。内容がてんこ盛りすぎてどこから語っていけばいいのか困る…。

まず脅威であるシャークネード。前作で属性という追加能力を手に入れて覚醒したわけですが、もうこれ以上どう進化するんだよという私の浅はかな疑問を「えっ、まだまだこんなんありますけど」といった感じで軽々クリアしていく姿勢。恐れ入りました。

「サファリネード」とか「NATOネード」とか、また新しい言葉遊びが登場しましたが、そんなのはどうでもいい(というか単に襲われている側の名前を持ってきているだけじゃないか…)。

重要なのはシャークネードの恐るべき真価です。今作は世界各地が舞台で、ロンドンに始まり、スイス、オーストラリア、ブラジル、イタリア、日本、エジプトなど、地球あっちこっちを描きます。じゃあ、どうやって主人公勢は活躍するのだろうと思ったら、なんとシャークネードは飛び込むとワープできる「どこでもドア」だったのです。そうか、だからサメが無尽蔵に降ってくるのか…納得、いや、なんだその設定は!? もう竜巻という概念を放棄してますよね。

竜巻という概念の放棄といえば、東京を強襲したサメはトルネードじゃありませんでした。たぶん作り手も日本の街を襲うならこれだろ!と意見が一致したに違いないでしょう。サメが群がって巨大なクジラみたいな怪物となる「シャークジラ」です。はい、“ゴジラ”です。個人的には映像は楽しいけど、もはやシャークネードですらなくなったのですが、いいんですか?

それよりも今作では、サメと人類の戦いは古来から続いていたとか、サメの神「デュークワカ」とか、もう「トランスフォーマー」と張り合っているのかよというくらいの設定のインフレっぷりで…。クラクラする…。フィンの「なぜいつもサメなんだ」というセリフは核心に迫ってましたね。

シャークネード5 ワールド・タイフーン

もう人間が怖い

シャークネードがパワーアップするなら俺たちも負けないと言わんばかりに「サメに対抗する人々」の異常進化っぷりも忘れてはいけない。

筆頭はエイプリルです。前作でサイボーグ化し、今作でも墜落するヘリをキャッチするくらいは朝飯前。スイスの雪山では、スキー板を抱えて回転し、自らがトルネードになるという荒業を披露。「私はヘリ人間じゃない」といいつつ、いとも簡単に実行し、「ワンダーウーマンね」「ブロンドだけどね」という実にどうでもいいやりとりをする姿。もう怖い。そして、何を思ったか今作では彼女をさらにパワーアップさせてしまいます。結果、エジプトに押し寄せる津波を全力開放で消し飛ばすほどの力を獲得。人知を超えているというか、もはや神。やっぱりシャークネードよりも彼女の方が恐ろしいのでは…。その代償に爆発四散したわけですが、本作な悲しいシーンのひとつであるはずの場面でも、あれっ、サイボーグだから普通に直せるのでは?という疑問が頭をよぎるのでした。

そのただならぬ血を受け継いでしまったフィンとエイプリルの次男であるギルも“あれ”だった。本作では劇中時間のほとんどをシャークネードの渦の中にいるという異常な状況にさらされるも華麗に生存。いくら「007」のQみたいな博士の開発した万能ヘルメットをかぶっていたとしても、いってもヘルメットですよ。ヘルメットは頭部を守るものですよ(基本情報)。何でピンピンしているのか。これはギルにも超人的パワーがあるのか、それとも案外シャークネードの中は安全なのか、そのどっちかだな…。

また、シャークネードと戦う秘密組織「シャークネード・シスターズ」など主人公勢以外の覚醒も酷かった凄かったです。イギリス首相の「スカイフォール」という観覧車攻撃システムといい、シドニーのオペラハウス変形攻撃システムといい、日本のモンスターボール爆弾といい、何なのこの世界。

一番信じらないのはここまでしておいて、シャークネードに負けたという事実。なぜ? 全く理解できない…。

シリーズは未知の世界へ

こんな感じであらゆる意味で人知を超えてしまった「シャークネード」シリーズ。

ラストは「マッドマックス」的な荒廃世界で、すっかり大人というかおっさんになって登場したギルからシャークネードでタイムトラベルしたという驚愕の事実を知らされるフィン。そして、飛行する車で「バック・トゥ・ザ・フューチャー」的「To Be Continued」。

ダメだ、もう想像つかない。ついていけない…。

だから、私の個人の感想の結論としては…大満足でした(ええっ…)。

これでいいんです。B級サメ映画の究極系として行き着くところまでいってほしい。最後まで見届けます。

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