PLANET OF THE SHARKS 鮫の惑星
映画『PLANET OF THE SHARKS 鮫の惑星』の感想&レビューです。前半はネタバレなし、後半からネタバレありとなっています。

原題:Planet of the Sharks 
製作国:アメリカ 
製作年:2016年 
日本公開日:2017年1月14日 
監督:マーク・アトキンス 

【個人的評価】
 星 2/10 ★★

あらすじ

温暖化で氷河が融解し、地表の98%が海に覆われた近未来。今や獰猛なサメたちが生態系の頂点に立ち、生き残ったわずかな人類は基地や船上で細々と暮らしていた。そして、突如、異様に統率の取れたおびただしいサメの群れが人間を次々と狙いはじめる。


これが地球温暖化だ!

アメリカのドナルド・トランプ大統領は気候変動への国際的な取り組みを決めたパリ協定から離脱すると宣言した…というニュースが飛び込んできたのは最近のこと。これによりアメリカは世界的な課題である地球温暖化問題へ背を向ける形となり、失望を巻き起こしました。アル・ゴアがドキュメンタリー映画『不都合な真実』でアメリカの世間に地球温暖化の存在を知らしめたのは2006年ですから、10年経って逆戻りしているアメリカは本当に先進国なのかと心配になります。

そんなアメリカに再度警鐘を鳴らすべく制作された映画…では決してないであろう作品、それが本作『PLANET OF THE SHARKS 鮫の惑星』です。

というか、本作は地球温暖化問題への普及啓発になるどころか、間違った地球温暖化の知識を流布しているだけな気がする。同じく2017年のサメ映画問題児のシン・ジョーズは放射能についてのぶっとんだ解釈が凄い映画でしたけど、本作は製作陣が地球温暖化を全然理解していないのが丸わかり。大丈夫か、アメリカ…。

本作は「鮫の惑星」というタイトルから『猿の惑星』要素を期待する人がいるかもしれませんが、その期待はトイレに流してください。自由の女神は出てきます(ネタバレ)。

監督の“マーク・アトキンス”はこれまでも数多くの大作のパク…いや、アイディアを大胆にアレンジした作品を手がけてきた人です。

↑“マーク・アトキンス”監督作のひとつ。
すごい邦題のインパクトだ…。

『シン・ジョーズ』は明らかに作り手がコメディを狙ってましたが、それと違って本作の場合は先の地球温暖化の件もですが基本的にシリアスでいこうとしています。でも、変なので真面目な雰囲気が台無しになる状況が次々勃発。観客を意図せず笑わせにきます。

ツッコミながらお楽しみください。






↓ここからネタバレが含まれます↓





私にいい案がある

本作は『シン・ジョーズ』と同じく「Syfy」というアメリカのケーブルテレビ・チャンネルで放映されたTV映画。だからこのクオリティが許されるのです。そこのところよろしく。

天候が荒れたら一発で崩壊しそうな人口72人が暮らす水上集落ジャンクシティ。突然、無数のサメに襲われ、シェルターという名のに隠れる少女を助けたのは、割と普通のクルーザーであるオスプレイ号でした。

一方、その異変を察知した人口436人のサルベイションという集落では、見張りの男が「(ジャンクシティが)何も見えねぇよ」と慌てています。劇中の映像を見るかぎり煙がもくもく上がっているのだけど、見えないらしいです。やっぱり、コイツは酔ってると思う。

さらに別の場所、ベストロン海洋研究所。ここではロケットでCO2レベルを下げて温暖化を逆転する試みが進んでいました。「いい感じの条件が揃えば温暖化を食い止められて海が消える」と豪語する登場人物に唖然。やっぱり、ダメだ、アメリカ人に地球温暖化の仕組みをちゃんと教えないと。というか、お前はほんとに博士なのか。

PLANET OF THE SHARKS 鮫の惑星

そこへサメ問題の話題が持ち込まれ、サメ退治へGOです。「魚を釣るのに邪魔だから防護ネットはない」「サメを仕留めるところを見せてやろう」「ここじゃサメ釣りは格闘技」と、死亡フラグを軽快に積み重ねていく女頭首に助けを求めた一行。やたらじっくり見せる謎の儀式のなかでも、登場人物と観客に漂う、こいつらで大丈夫かという不安。そして、あっけなく女頭首は活躍もなく死亡します。

ここでいい案があると言い出す博士。昔、噴火を引き起こして陸地を作る計画で製作した装置があるので、この噴火でサメを倒すというじゃないですか。しかし、いざトライしてみると装置を運ぶヘリがこれまたあっけなくサメにやられる始末(いい案?)。なんとか装置を起動して、噴火を引き起こします。ちなみにここでの研究所でのやりとりが非常にうっとおしいです。

噴火で起きた大津波を「いけぇ!」で乗り越えた後、サメの生存を確認。噴火は意味なかったです(いい案?)。

次にロケットを親玉サメの電力で動かすという、もう常人の理解を超えた作戦を立案する博士。長ったらしいので割愛しますが、博士の犠牲によって無事ロケットは発射。サメも死にました。

そして、6か月後、そこには海上から顔を出す自由の女神とビル群が…。

いや~、あらすじにツッコミを入れてるだけの感想になってしまった…。でも、本作、個人的には笑えたから満足。

それにしてもアメリカの地球温暖化問題は深刻ですね。アル・ゴアさん、早く『不都合な真実2』を作らないと。

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