モンスタートラック
映画『モンスタートラック』の感想&レビューです。前半はネタバレなし、後半からネタバレありとなっています。

原題:Monster Trucks 
製作国:アメリカ 
製作年:2016年
日本では劇場未公開:2017年にDVDスルー
監督:クリス・ウェッジ 

【個人的評価】
 星 5/10 ★★★★★

あらすじ

高校生のトリップは壊れたトラックを修理して生まれ育った町から逃げ出したいと思っていた。ある日、町で得体の知れないモンスターが車を破壊する事件が起きる。その生物はトリップのトラックに潜り込み、だんだんとモンスターとトリップに友情が芽生える。しかし、追手が迫っていた。


モンスタートラックでGO!

「モンスタートラック」という車をご存知でしょうか。やたらとデカイタイヤを装着して、どんな荒地でも豪快に走行するパワフルなバギー。まさにその名のとおりモンスターのような暴れっぷりで、モータースポーツでも人気となっています。

そんなモンスタートラックに本当に“モンスター”を搭載しちゃった車がド派手に活躍する映画が本作『モンスタートラック』です。えっ? そうです、本当に“モンスター”、巨大生物が車の中にいるんです。それが走るんです。大ジャンプしたり、壁とか登ったりね。

この設定だけ聞けば「あ、バカ映画なんだな」と思うかもしれません。はい、そのとおり、合ってます。でも、本作のバカさは設定だけじゃないのです。

なんと予算が1億2500万ドルもかかっている! B級どころかSSS級映画レベルの資金投入額です。だからカーアクションがマイケル・ベイ監督作品かのように意味もなく派手だし、モンスターのCGもとてもリアルに出来上がっています。

2015年5月に公開予定だったそうですが、2015年12月、2016年3月と延期をし続け、2017年1月にようやくアメリカで公開されました。たぶんそれもあって予算がかかったのでしょう。

監督の“クリス・ウェッジ”はブルースカイ・スタジオのCGアニメーション映画『アイス・エイジ』を手がけた人で、原案は『カンフー・パンダ』の脚本家が担当しており、かなりアニメのノリに近い作品となっています。さらに本作の脚本は『ジュラシック・ワールド』の脚本を務めた“デレク・コノリー”。もう、「The 家族向け」映画ですね。

まあ、結局、アメリカ本国では大コケしたのですが…。アメリカ人はそこまでバカじゃなかったのか…。

でも、一応褒めておくと、ファミリー映画としては普通に見られる良作だと思いますよ。モンスターも造形が可愛いし、ぜひ子どもと一緒に観てほしいです。日本では劇場未公開でビデオスルーですけど、逆に言えば、数百円払えばネットですぐ観れますから、本作の気軽さに合っているんじゃないですか。

私は大金かけてアホな映画を作るこのノリ、嫌いじゃないです。






↓ここからネタバレが含まれます↓





考えるのをやめた

ピートと秘密の友達のような、子どもと珍獣異生物との交流ものはファミリー映画の定番です。でも、本作の場合、主人公は高校生なんですよね…。ここが本作のバカさを端的に表す第一のポイントになってます。

いや、しょうがなかったのだと思いますよ。車を運転するという物語の制約上あまり幼い子どもにはできないし、最低年齢は高校生になります。一方で、子どもと珍獣異生物との交流ものを描きたい。結果、生まれたのが見た目は高校生、中身は小学生みたいな主人公トリップです

ろくに学校も行かず、車の解体工場で働くトリップは、外見はとてもハンサムなのに、クラスメートのメレディスの熱烈なラブコールもガン無視するほど、「女の子に興味がない」男子。関心があるのはトラックであり、今は動かないトラックでひとり運転ごっこして妄想する日々を送っています。大丈夫か、コイツ。

その残念イケメンの前に現れたのは、タコとクジラを合体したかのような巨大生物。知能レベルが合致したのか、なんかすっかり仲良くなった一人と一匹は、一緒にセルフィを撮ったりと親交を深めます。そして、クリーチと名付けたモンスターはトラックのエンジンとなり、どうやって収まっているのかはさっぱりですが、アメリカの田舎町を爆走。なんて平和なんだ…(追手がいるけど)。

本作はその気になれば、もっと環境問題に掘り込んでいくとか、ロマンスに発展させていくとか、いろいろやりようがあったんですけどね。トリップは不良でもないし、かといって正義感があるわけでもない、ふわっとしすぎました。この主人公の無邪気なまでのバカ正直さが本作のストーリーをここまで単調にさせる原因ですが、まあ、良いでしょう(考えるのをやめた)。

モンスタートラック

個人的にはクリーチのビジュアルはとても気にいってます。こんだけ愛らしかったら、そりゃあ、車のエンジンにするよね…(あれっ?)。

もっとコミカルでもよかった

アクションも痛快で楽しかったと思います。

ガソリンごくごくタイムからの街中でのカーチェイスは、能力を駆使した逃走テクニックが愉快だし、続く3台での爆走からの崖滑り降りは完全にミュータント・ニンジャ・タートルズ 影のような“マイケル・ベイ”イズムを感じました。鉱山用超大型ダンプトラックが登場する展開もアがります。

ただ、テラベックス社にはどうやって潜入したのでしょうかね。警備員は全員休憩中かな…。

欲を言えばもっとコミカルにしてもよかった。ギャグをもっとスピード感もって投入していってほしかったです。

結論は、割と楽しめたということで。いい具合にバカになれました。ありがとうございます。

ちなみに本作を制作した「Paramount Animation」は最近できたばかりの組織なんですが、今後のラインナップを見ると気になるものがあります。それは『Giant Monsters Attack Japan』というタイトルの作品。なんでも日本を舞台にした着ぐるみの怪獣映画らしい…。東宝さん、怒らないで見逃してあげて!