ルシッドドリーム 明晰夢
映画『ルシッドドリーム 明晰夢』の感想&レビューです。前半はネタバレなし、後半からネタバレありとなっています。

原題:Lucid Dream 
製作国:韓国 
製作年:2017年 
日本では劇場未公開:2017年にNetflixで配信 
監督:キム・ジュンソン 

【個人的評価】
 星 4/10 ★★★★

あらすじ

大企業の不正の告発を専門とする記者テホの息子ミヌは遊園地で忽然と姿を消してしまう。3年後、何の手がかりもつかめないことに焦るテホは、夢を自覚しながらに見ることができる「明晰夢」という技術の存在を知る。失踪事件担当の刑事ソンと協力し、明晰夢を利用して真相に迫ろうとするが…。

Lucid Dreaming Movie

寝ている間に見るあの“夢”。たいてい夢を見ているときはそれが夢だとは気づかず、起きて初めて「ああ、夢か…」となるわけですが、なんでも夢であると自覚しながら夢を見られる人がいるらしい。しかも、その場合、夢の内容を自由に操れるとか。もしそんなことができるなら、ぜひとも試したいですよ。誰かやり方を教えてください。

こういう夢であると自覚しながら見ている夢のことを「明晰夢(めいせきむ)」、英語で「Lucid dreaming」と呼ぶそうです。

この明晰夢は映画でもよく題材になります。夢(もしくはそれに類似した頭の中で作られた仮想世界)を舞台にした一連の映画を「Lucid Dreaming Movie」と表現したりします。具体的には『マトリックス』(1999年)、『バニラ・スカイ』(2001年)、『エターナル・サンシャイン』(2004年)、『インセプション』(2010年)、『ミッション:8ミニッツ』(2011年)、『トータル・リコール』(2012年)などですね。日本だと今敏監督の『パプリカ』というアニメ映画がありました。

そして本作『ルシッドドリーム 明晰夢』は、そのズバリなタイトルのとおり、韓国の「Lucid Dreaming Movie」です。

主演するのは、『高地戦』などで活躍した人気俳優“コ・ス”のほか、男性アイドルグループJYJの“パク・ユチョン”も登場。ファンは必見でしょう。

「Lucid Dreaming Movie」は難解になりがちですが、本作の内容は割とシンプルなので、気軽に観れると思います。気が向いたときにぜひどうぞ。






↓ここからネタバレが含まれます↓





入門におすすめ

先にも書きましたが、本作は「Lucid Dreaming Movie」の王道のような作品であり、シンプルなストーリーでした。

記者として活躍していたテホが、休みの日に息子ミヌと遊園地で楽しいひとときを過ごしていると、突然ミヌが消えてしまいます。そして、数年後、FBIの捜査でも活用されているルシッドドリームの存在を知ったテホは、知人の医師ソヒョンの力を借りて、夢であの遊園地に戻ります。

ここからしばらくはテホが遊園地(夢)を繰り返し、少しずつ手がかりを探していく展開が続きます。このパートでは、最初の現実の遊園地シーンで強調されていた人物をひとりずつ確認していく、丁寧な進め方でした

売店の人物にもルシッドドリームを試したりと、なんだかんだで犯人のタトゥー男を突き止めたはいいものの、容疑者のチェは昏睡状態。捜査は行き詰ります。

ここで新しい要素が登場。共有夢という方法で昏睡状態のチェの夢に侵入する展開へ。もし途中で侵入先の人物が死ねば夢の中から出られなくなるという「Lucid Dreaming Movie」に最もありがちなサスペンスもしっかり用意されてます。これと並行して、チョというルシッドドリーム研究の後援者の、交通事故で失くした息子がMkMk型という珍しい血液らしいこともわかり、実はミヌも同じだったことが発覚。チョを問い詰めます。

ルシッドドリーム 明晰夢

やがて全てのピースが揃って浮かび上がった黒幕は、テホの隣にいたソン刑事でした。正直、この犯人、バレバレだった気がする…。最初から何かありそうな雰囲気を出しすぎでしたね。前半の丁寧な展開に対して、後半の勢いまかせな展開はやや残念。最後のビル崩壊世界での駆け引きも、ものすごい投げっぱなしです。そもそもルシッドドリームを使わなくても人海戦術でミヌを探せるのでは…というツッコミはダメか…。

「Lucid Dreaming Movie」としては新鮮さのない平凡な一作。もっと冒険してほしかったところです。ただ、「Lucid Dreaming Movie」入門としてはぴったりではないでしょうか。

韓国映画でこういうタイプのSFは珍しいので、今後いろいろ工夫をめぐらした変化球な作品が生まれてくるかもしれません。本作は最初の一歩。今後が楽しみです。