Death Note デスノート
Netflix映画『Death Note デスノート(2017)』の感想&レビューです。前半はネタバレなし、後半からネタバレありとなっています。

原題:Death Note
製作国:アメリカ
製作年:2017年
日本では劇場未公開:2017年にNetflixで配信
監督:アダム・ウィンガード

【個人的評価】
星 3/10 ★★★


あらすじ

アメリカのシアトル。高校生のライト・ターナーは非常に頭が良く、正義感も強かったが、学内では宿題代行をするような日々だった。そんなある日、一冊のノートが降ってくる。それは、名前を書かれた者は死んでしまうという超常的なノートだった。このデスノートを手にしたライトは、世界中の犯罪者を殺して世界の改革を試み始めるが…。

ネタバレなし感想

アメリカ製デスノート

日本の人気漫画がハリウッドで映画化!と聞いて、良い期待をする人は、もはやなかなかいません。まあ、だいたい『DRAGONBALL EVOLUTION』(2009年)のせいですが…。原作が大幅に改変されるのは避けられませんから、評価が荒れるのはしょうがないところでもあります。

最近は映画化の題材不足に悩んでいるアメリカの映画業界。きっと日本のサブカル・コンテンツは魅力的な宝の山のはずですが、いかんせん成功のロジックが確立していないのが問題で。きっとひとたび成功例が生まれれば、また違ってくるのでしょうけど。

そんな日本コンテンツとハリウッド、今度こそ誰からも祝われるめでたい縁談になればいいなと思ってはいますが、この本作『Death Note デスノート』はどうなのでしょうか。

原作は日本でも大人気で何度も映画化され、去年もデスノート Light up the NEW worldが公開された、「週刊少年ジャンプ」連載の大場つぐみと小畑健による漫画。海外でも非常にファンの多い作品というのは聞いていましたから、ハリウッド映画化が企画されるのも当然。

しかし、映画は難産だったみたいです。多くの映画会社が「デスノート」の映画化権を獲得するために群がるなか、勝ち取ったのはワーナー・ブラザース。監督には、最近だと『ナイスガイズ!』を手がけた“シェーン・ブラック”が選ばれていました。ところが、2009年から企画開始にも関わらず、思うように進まず、もはや企画が消えたのかという雰囲気も漂っているとき…監督とプロジェクトを一任されたのが“アダム・ウィンガード”でした。

“アダム・ウィンガード”監督は、ホラー映画『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』の続編である『ブレア・ウィッチ』を手がけた人。私はあんまり彼の作品を観たことないので、これ以上は作風など何も語れない…。でも、キングコング 髑髏島の巨神のコングとゴジラが激突する『Godzilla vs. Kong』の監督に大抜擢されていますから、きっとまた名前を聞くことになるでしょう。それまでに監督の過去作をチェックしておかないとな…。

そして、ワーナー・ブラザースからバトンタッチされたのがNetflixと…。だから、オール・Netflix体制で製作された作品ではないんですね。まあ、完成品がどこまで企画当初の要素を引き継いでいるかわかりませんが…。

気になるハリウッド版「デスノート」の内容ですが、良くも悪くもアメリカナイズされてます。詳しくはネタバレになるので、後半で。ひとつ言っておくなら、かなりグロいということですかね。

気になる人はぜひ鑑賞どうぞ。






↓ここからネタバレが含まれます↓





ネタバレあり感想

ティーン感たっぷり

ハリウッド版である本作が日本の原作と何が一番違うのかといえば、ティーン映画になっていることでしょう。ティーン=10代を主人公にした学校が舞台の作品はアメリカ映画の伝統であり、最近もスパイダーマン ホームカミングがありました。

原作の主人公「夜神月」も高校生(後に大学生になる)でしたが、原作はティーン的な要素はほとんどなく、それもそのはず「夜神月」は完璧超人すぎました。でも、そこが魅力の作品でもあるのですが。

対する本作の主人公「ライト・ターナー」は頭脳明晰で正義が実行されない社会への不満をくすぶらしている若者というのは共通していましたが、それ以外は割と普通の高校生。リュークを始めて見たときの驚き具合とかも実に平凡にすっ飛んでました。これは夢だと自分にビンタするというベタな行動をとる姿は、原作を知っている人ほど違和感かもしれません。

びっくりしたのはライトだけでなく、「L」さえもティーン感が溢れていること。最初は原作の「L」らしく常人の価値観から外れた特異な人間の雰囲気を漂わせていましたが、後半にいくにつれ、どんどんティーン感が増していきました。L座りしている奴とは思えない、綺麗なフォームで走ってましたね…。

終盤の追いかけっこに至るまで、とにかくエモい、エモい。

たぶん製作陣はアメリカの若者に受けるにはこれがベストと考えたのでしょう。

Death Note デスノート

ジャンル映画でいきます

他にもアメリカっぽいなと思う要素は、やはり残酷表現です。

本作は情け容赦なくグロいです。いじめっ子のケニーの頭が梯子でグシャー!っとなるシーンに始まり、食事中にナイフが喉にグサッとか、集団飛び降り自殺とか。東京のナイトクラブでの大量死体なんかはどうやってこういう状態になったんだよという感じですが、ケレン味はあるので良いか…。ここまでくると死に方が『ファイナル・デスティネーション』の領域に達してます。

ただ、あれですね。アメリカ社会を代表する「銃」があんまり出てこなかったですね。これは実際にアメリカで起きている銃乱射事件なんかに配慮したのかな? そこで作り手が急に臆病になるのはちょっと残念です。「L」が謎デザインの銃を使うのも…。せっかくの「デスノート」なんですから、アメリカの犯罪性にもっと切り込むべきではなかったのかなと思うのですけど…社会派的要素はティーン映画にはお呼びじゃないという判断なんでしょう。

その代わりなのか、ワタリが「L」の本名を探すシーンで、陰謀論的都市伝説でよく耳にする「モントーク・プロジェクト」が出たりと、本作はグロテスク・スリラーとミステリーSFの合体みたいになって、ジャンル映画感が増量しました

最後のメイキング映像を合わせたエンドクレジットといい、作品のノリが軽いのは、見やすい反面、物足りなさも感じる人も多いのではないでしょうか。

最後はやっぱり計画どおり

本作を観る前は、またキラの計画どおりで終わるんじゃないのと思ってましたが、本当にそのままだった…。

後半までミアの暴走っぷりが印象的でしたが、結局、全てはライトの手のひらの上だったという、いつものやつでした。まあ、これがあれば「デスノート」だってことなんでしょう(強引な納得)。

次はあれですね、デスノート6冊かな?

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