セントラル・インテリジェンス
映画『セントラル・インテリジェンス』の感想&レビューです。前半はネタバレなし、後半からネタバレありとなっています。

原題:Central Intelligence 
製作国:アメリカ 
製作年:2016年 
日本公開日:2017年11月3日 
監督:ローソン・マーシャル・サーバー 

【個人的評価】
 星 4/10 ★★★★

あらすじ

高校時代は学園のスーパースターだったが、現在はパッとしない人生を歩んでいる中年会計士カルビン。そんな彼のもとに、当時ぽっちゃり体型でいじめられっ子だったボブから、20年ぶりに会いたいと連絡が入る。仕方なく会いに行ったカルビンの前に現われたボブは、なんと筋骨隆々なCIA捜査官へと変貌を遂げていた。

ネタバレなし感想

誰?

この映画は劇場公開されるだろうと思ったらビデオスルーだったり、ビデオスルーだろうなと思ったら劇場公開されたり、なんか翻弄されがちな今日この頃。

本作『セントラル・インテリジェンス』は後者でした。

やっぱりアメリカでそれなりにヒットしたからですかね。

それも当然、ヒットするのも当たり前、なんていったってアメリカでは大人気のコメディアンの“ケヴィン・ハート”と世界で大人気のマッチョ俳優“ドウェイン・ジョンソン”の共演作ですから。アメリカだったら絶対にウケるカードが揃ってます。

ただ、日本だと“ケヴィン・ハート”は一般にはイマイチ認知されてないので、“ドウェイン・ジョンソン”で攻めるしかないです。

でも、本作は強烈なインパクトのある材料はあって、それは予告動画でも見られるとおり、“ドウェイン・ジョンソン”が「誰っ?」となるほど全く想像もつかないような姿で登場します。これは映画館へ客を惹きつけるための一発ネタなところがありますが、威力はじゅうぶんじゃないですか。

アクションというよりは、トーク・コメディとして期待した方がいいと思います。とにかく“ドウェイン・ジョンソン”を愛でまくる映画ですので、そこをお楽しみに。

ちなみに公式サイトから「Central IntelliDASH」というWEB上で遊べるゲームがプレイできます。“ケヴィン・ハート”と“ドウェイン・ジョンソン”が演じるキャラクターが道路を爆走して逃げ回るというハチャメチャなゲームなんですけど(しかもこんなシーンは劇中にはない)、まあ、音がうるさいうるさい。とりあえず暇つぶしにこちらもどうぞ(公式サイト「セントラル・インテリジェンス」)。






↓ここからネタバレが含まれます↓





ネタバレあり感想

二人とも良い人オーラが眩しい

冒頭、いきなり「誰っ?」という感じで驚かせてくれる本作。シャワー室で全裸の巨体をプルンプルンさせて踊るロビー・ウィアディクト。かろうして顔から“ドウェイン・ジョンソン”の面影を感じられます。そのままイジメ・グループに全裸のまま全校集会真っ最中のホールに投げ込まれ、センターコートの床を、あの床、何か塗ったの?というくらい、綺麗にツーッと無様に滑っていくロビーは大衆の面前で大恥をかきます。

このシーンは全くの別人が演じている顔に“ドウェイン・ジョンソン”の演技した表情を加工した映像を合成したVFXなわけですが、こんな贅沢なこともコメディ映画にさえぶっこんでくるのはさすがハリウッド。アホでいいと思います。欲を言えば、もうちょっとこのデブ“ロック様”を堪能したかったですけど…。

で、現代。カルヴィンとボブのバディ・ムービーが始まるわけですが、正直、この手のジャンルとしては本作は私はあんまりノれなかった気がします。

たぶんその理由は、それほどデコボコ感を感じなかったからなのかなと。本作の面白味は、高校時代には全く違った二人が全く逆の変貌を遂げて再開しコンビを組むこと…だと思ったのですけど、実際思ったほどではなかったです。

まず、カルヴィンですが、それほど「パッとしない人生を歩んでいる」ような人には見えない。会計士という真っ当な職に就いているし、妻もいる。別にどん底にいるわけでなく、今の人生よりさらに上の満足感を欲しているだけです。

対する、ボブは見た目はガラッと変わりました。でも、ケヴィン・ハートはボブのことを「かなり厄介な殺人マシーンのような男」とコメントしてますが、殺人マシーンとは違う気がする。明るい純真さはそのままです。結局、ただの“ドウェイン・ジョンソン”なんですよ。

これが、例えばカルヴィンが職なし金なしの肥満体形になって、ボブが超冷酷の殺し屋になっていたら、このギャップでいくらでもドラマが展開されそうなんですけど。

本作はとにかく二人とも良い人オーラが出すぎていて、サスペンスも乏しいです。絶対にカルヴィンもボブも裏切りそうに見えないしですし。加えて騒動の主題となっている原因も人工衛星の機密コードとか二人の人生には全く関係ないので、すごくどうでもいい。

キャラ設定やシナリオはすごく雑な映画です。

セントラル・インテリジェンス

筋肉ボディ以上の武器

じゃあ、この映画はつまらないのか。ところがどっこい、つまらなくはなかった!

その魅力の原動力は、無論、“ケヴィン・ハート”と“ドウェイン・ジョンソン”の二人です。

もう二人の掛け合いを見てるだけで幸せになってくる。あのカウンセラーの場面のビンタとか、本筋のドラマに直接の関係はないのに楽しい。エンドクレジットのNGシーン集でも映っていましたが、絶対にこの撮影現場は愉快だろうなと思わせますよね。

とくに“ドウェイン・ジョンソン”。ベイウォッチでも強く感じましたが、彼ならどんなことをしても嫌味を感じない。人をぶん殴ろうが、銃を人にぶっ放そうが、公衆の前で全裸になろうが「まあ、いっか」という気持ちになる。この持ってして生まれた“無邪気な愛嬌”は、筋肉ボディ以上に彼の役者としての武器になっています。

それが本作では上手くフィットしていて、「ありのままの自分を受け入れる」なんていう気恥しいメッセージも上から目線になることなく、ストンと落ち着いていました。

“ケヴィン・ハート”もさすがコメディアンとして力量があるというか、片方だけ目立つようなバランスの悪さを露出することなく、“ドウェイン・ジョンソン”と一緒のシーンでは上手く彼を引き立てていましたね。

“ドウェイン・ジョンソン”は本作のコメントで「お互いの人生がその後どう変わろうとも、当時の記憶は消えないのさ」という言葉を残しています。いや~、“ドウェイン・ジョンソン”に言われちゃったら、納得してしまいます。

本音を言うと、“ドウェイン・ジョンソン”は派手な映画が続いていましたから、本作も派手さに飢えてきますが…。まあ、それは次に“ケヴィン・ハート”と“ドウェイン・ジョンソン”が共演する『ジュマンジ ウェルカム・トゥ・ジャングル』までお預けかな…。

もうひとつの“ドウェイン・ジョンソン”バカ映画で、劇場未公開になってしまった『ベイウォッチ』もよろしくお願いします。

↑こちらは下ネタ満載!

(C)2016 Universal Pictures, Warner Bros. Entertainment Inc. and RatPac-Dune Entertainment LLC