ZOOMBIE
原題:Zoombies
製作国:アメリカ
製作年:2016年
日本公開日:2016年7月17日
監督:グレン・R・ミラー

【個人的評価】
 星 3/10 ★★★
 
あらすじ

絶滅危惧種の保護を目的とした広大なテーマパークであるエデン野生動物園。来たる一般公開を控え、園内では職員たちの研修が行われていた。そんな中、診療所にて心臓が停止したはずの猿が突如奇声をあげて蘇り、獣医に襲いかかる。それは恐怖の始まりだった…。


あの人気もの動物が人を襲う

よく動物園で着ぐるみを使ったなんともほのぼのした猛獣脱出対策訓練が定期的に実施されているのが報道されるのを見かけます。あれを見るたびに「これ、本当に訓練になっているのだろうか…」と思ったりするんですが、動物園側はあくまで真面目なようです。

そんな動物園を一喝するために製作された…わけではないけれど、参考になる可能性もゼロではないと思いたい映画が、本作『ZOOMBIE ズーンビ』です。

本作はタイトルが「Zoo(動物園)」と「zombie(ゾンビ)」の強引な合わせ技になっているとおり、動物園の動物たちがゾンビになっちゃったという単純明快なストーリー。絶対、タイトルをノリで思いつき、勢いのまま企画にした感じがビンビンするけれど、いいでしょう。動物がゾンビになるというのは映画に限らずゲームなどでも珍しくないですが、本作はお祭り感が売りなのは言うまでもない。いろんな動物がゾンビになってくれます。動物が脱走するだけでは凶暴度が低いのでゾンビにすれば『ジュラシック・パーク』になるだろうという単純論理は理解できるし、正直その絵を見てみたいという好奇心が駆り立てられるのも事実。ポスターとか楽しそうじゃないですか。いいんです、映画を観る動機なんてこんなものです。

この映画を製作したのは…安心してください。「アサイラム」です。

知らない人のために説明しておくと、企画そのものがパロディでしかないようなトンデモB級映画を量産することで有名なアメリカ・カリフォルニア州の映画製作会社です。『メガ・シャーク』シリーズとかが最近は話題ですね。


B級映画ですから温かい目で見守ってあげてください。でも、つまらないB級映画ではなく、ちゃんとトンデモな展開を用意してくれている面白いB級映画です。個人的には、あの動物が人を襲うシーンだけでも観ていて満足できた気がする

ゾンビ動物園へ Let's Go です。





↓ここからネタバレが含まれます↓




動物は保護する、ゾンビは殺す

本作を観て思い出したのが、「パラサイト・イヴ」という1998年にプレイステーションで発売されたTVゲーム。このゲームでは、モンスターになった動物が襲いかかってきて、その動物のグロテスクな外見描写が印象でした。

その点、本作のゾンビ動物たちはインパクト弱めです。CGや着ぐるみで再現されたゾンビ動物たちは、目が虚ろで毛がボサボサみたいな感じでしかなかったのが残念。願わくばポスターに描かれているぐらいの外見にしてほしかったです。ポスターの首が折れて骨が出ているキリンとか最高じゃないですか

ゾンビ動物の種類ももうちょっと欲しかったところ。サル、ゴリラ、キリン、ライオン、イノシシ、鳥くらいだったかな…。ポスターにでているクマはいなかったし、カバは歩いてただけでした。個人的には、シマウマとかダチョウとか群れが見たかったですね。
ZOOMBIE
まあ、その不満点もたくさんのトンデモな映像で帳消しにしてくれたのでOKです。腕を噛みちぎるキリン、ライオンに囲まれるマヌケな絵、ゾンビコアラをぶっ倒す女の子、私の中に巣をつくってる!な場面、焼き鳥からのファイヤーバード襲来…楽しかった。もとから猛獣な動物よりも、普段は温厚な動物が人を襲うのを見るのが楽しいということに気づきました。

この動物園では動物は絶対にフェンスをよじのぼらないという前提があるのがツッコみどころですが…あれです、みんな高所恐怖症みたいな裏設定があるんです。天敵がいないから感染しないとか言っていたゾウが後半普通にゾンビ動物たちと進軍していたのは…あれです、長い物には巻かれろの精神です、みんなやるでしょう? 女の子と仲良かったゴリラは普通に襲ってきて何のドラマもなく倒されたけど…あれです、しょせん獣ですから。

お話しのテンポが良かったのも地味にうれしい。人間側に悪役がいないのもシンプルで良かったです。

最後に、動物園の猛獣脱出対策訓練に役立つ教訓を本作から得たのでひとつ。

絶滅危惧種でもいざとなれば容赦なく「殺す」という判断をせよ。

女の子でもそれができてましたからね。勉強になりました(?)。