ミュータント・ニンジャ・タートルズ 影
原題:Teenage Mutant Ninja Turtles: Out of the Shadows
製作国:アメリカ
製作年:2016年
日本公開日:2016年8月26日
監督:デイブ・グリーン

【個人的評価】
 星 4/10 ★★★★
 
あらすじ

ニューヨークを舞台に活躍する忍者のカメ4兄弟「タートルズ」。彼らがかつて悪行を食い止めた宿敵シュレッダーが、マッドサイエンティストのバクスター・ストックマン博士と子分のビーバップ&ロックステディの助けを借りて脱獄してしまう。再びニューヨークに恐怖が迫る…。

世界に一つだけのカメ

最近ではニューヨークには凶暴なウサギがいましたが(参考:『ペット』)、そういえばこいつらもいました。

その名も「タートルズ」。見た目がちょっと気持ち悪いけど、憎めないカメ野郎たちです。

本作は『ミュータント・タートルズ』(2014年)の続編。前作はあのマイケル・ベイ製作ということで相変わらずの大味でしたが、原作のアメコミのノリと上手くマッチしていたと思います。


続編である本作でもそれはしっかり引き継ぎ、パワーアップしています。派手なカメラワーク、勢いまかせのストーリー、オフビートなギャグ…前作が好きな人は安心して見れるでしょう。前作の欠点をカバーする気はない感じが逆に潔いくらいです。

こういうノリができるのも本作くらいなものです。

近年のアメコミ映画は、「マーベル・シネマティック・ユニバース」や「DCエクステンディッド・ユニバース」のような作品群として連なりがあるものばかりが主流になっています。ゆえに作品どうしの整合性やストーリーのインフレ具合が問題になったりと、扱いがどうしてもセンシティブになってしまっていました。

一方、本作にはそういう縛りは一切ないんですね。だからこそのこの開放感です。

こういう息抜きがあってもいいでしょう。

3D版じゃなくてもカメラ酔いするぐらいアクションシーンではカメラがぐるぐる動くので、苦手な人は手元のポップコーンとかにたまに他に目を向けながら気楽に観ましょう。





↓ここからネタバレが含まれます↓




オンリーワンなアホさは長所

本作はその至る所でツッコミどころがあまりにも多すぎますが、この感想記事も本作の作風をまねてツッコミは大胆に割愛します。

サービス精神たっぷりな映像は、内容がいかに陳腐でツッコミだらけでも楽しいものです。

前作の「雪崩シーン」を彷彿とさせる、飛行機ダイビングからの機内バトル、からの河川墜落からの激流バトルは最大の見せ場。本作の全てのアホさが詰まっています。逆に終盤の戦闘は明らかに物足りず残念でしたが…。
Teenage Mutant Ninja Turtles Out of the Shadows
本作は登場人物全員がアホに見える…「ああ、アメコミはこんなアホでいいんだ」となんか安心する心地よさがあります。『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』に分けてあげたい。

ビーバップ&ロックステディやクランゲといった悪役キャラも、いい感じのタートルズと同レベルのノリで憎めない奴らでした。

人間側のケイシー・ジョーンズとエイプリルも、はっきり言ってアホです。エイプリルにいたっては、完全に観客へのサービスシーンでしかない序盤の衣装チェンジから潜入シーンなど、職業を忘れてます。私も彼女が現場レポートしている場面を見て「そういえば記者だった」と思いだしました。

↓撮影現場も和気あいあいと楽しそうです。


一応、本作のテーマは、人目につかず日陰でのみ活動することをめぐっての「タートルズ・チーム」の在り方を問うことだったのですが、扱いはやっぱりというべきか雑。

そもそも前作であんだけ派手に暴れてたら、タートルズの目撃者くらいいるでしょうし、ヴァーン独りの功績にするのは嘘として無理がありすぎです。まあ、でもきっとこの世界の警察や市民もアホなんですよ。

近年のアメコミ映画のヒーローたちは普通に人間社会と協力して活動している奴らが多いだけに、今作のタートルズの悩みは言ってみればすごく古風。改めて作品で問うのも、パロディ企画の同人誌として始まった「ミュータント・ニンジャ・タートルズ」らしくて良いじゃないかと思ったりもしたのですが…。

タートルズ・チーム解散の危機をわりとあっさり解決してしまったのは気になりますが、あいつらのノリであればこんなものなのかもしれない。冒頭で見ていたバスケの試合や、ケイシー・ジョーンズのホッケー知識から、チームワークを学ぶのかと思ったら別にそんなことはなかった。悩むのもバカバカしかったような気もしてきます。

このアホなノリがSMAPにもあれば解散しなくて済んだだろうに…と全然関係ないことを思いました。