セルフレス 覚醒した記憶
原題:Self/Less
製作国:アメリカ
製作年:2015年
日本公開日:2016年9月1日
監督:ターセム・シン

【個人的評価】
 星 3/10 ★★★
 
あらすじ

余命半年と宣告された大富豪のダミアン・ヘイルは、一人娘のクレアとの仲が険悪なまま死を迎えることに絶望していた。失意の中にあったダミアンに天才科学者のオルブライトがもちかけたのは、遺伝子操作で作った肉体へダミアンの頭脳を転送することだった…。

また入れ替わり映画です

肉体が入れ替わって別人の姿になるネタはSF映画の定番です。絶賛大ヒット中のアニメ映画『君の名は。』はまさにそれですし、古い映画だと『セコンド/アーサー・ハミルトンからトニー・ウィルソンへの転身』(1966年)なんかがあります。映画以外にも小説、漫画、ゲームでも多々見られ、ちょっと見飽きるくらいかも…。

でも、それだけ入れ替わりネタは、ベタだけどワクワクハラハラする普遍的な楽しさがあるということでしょう。

本作では、年老いた大富豪のダミアンが入れ替わってしまったのは、デッドプール…ではなくライアン・レイノルズ演じる若い屈強な男。

公式サイトやポスターには以下のようなキャッチコピーがついてますが…
「NYを支配した頭脳×特殊な戦闘能力を持つ肉体=彼らは脅威の“最終兵器”に変貌する」
こういう映画をそのまま期待するとガッカリするかも…。

副題にもあるとおり「記憶」が物語に影響するので、マット・デイモン主演の『ボーン』シリーズが連想されるでしょう。後半はまさに『ボーン』シリーズで、そこに家族愛要素を追加した感じといえばいいでしょうか。


全体的につくりは雑ですし、思わず「えっ」となるオチもあるので、この手のSF設定+アクションが好きな人向けです。派手な活躍はあまりないですが、主演のライアン・レイノルズ目当てでもいいでしょう。





↓ここからネタバレが含まれます↓




デッドプールも驚愕のオチ

君の名は、ダミアン? マーク?な本作ですが、両者のキャラ設定が特に活かされているわけではありませんでした。せっかく頭脳はダミアン、肉体はマークなのに二人のキャラ設定がイマイチなせいか、生まれ変わった後もあまり魅力がなし。もっと一長一短ある人物で、二人でそれらを補い合えると良かったのですが。

お話しの根本的な点としては、ダミアンが記憶転移までするほどの理由が乏しい。娘との険悪な関係に未練があるのかと思いきや、新しい肉体を手に入れてからは女遊びに夢中で、単に欲深いだけにみえます。

一方で、マークの人柄もよく見えてきません。これについては劇中の序盤をスリムにして、中盤でもっと丁寧に描くべきでした。結局、特殊部隊だったとはいえ、場面によってマークが都合よく強くなったり、弱くなったりしてしまっています。

肝心の記憶転移の描写も面白くなかったかな。黒人のアントンが記憶転移してまでしつこく襲ってくるのはアイディアとしていいので、もっと強そうなキャラにしてほしかったですね。記憶転移技術はいくらでも応用できそうなのですから、このキャラも?あのキャラまで?とどんどん記憶転移して良かったかもしれない。個人的には逆でライアン・レイノルズ演じるマークがベン・キングズレー演じるダミアンに転移してほしかったような気もする。

それくらいバカ方向に突っ切ってもいいのに、家族愛が変に邪魔をする。なんともバランスの悪い映画です。

SFとしてはありきたりだし、アクションとしては普通すぎるし、スリラーとしてはそこまで怖くもない、中途半端な映画と言わざるを得ないです。
セルフレス
一番のツッコミどころは、誰しも指摘するでしょうが、最後のオチです。薬を服用しなければ肉体の記憶が戻るなら、死者蘇生ということになります。記憶転移よりも凄い発明です。

まさか死を克服したデッドプールと同じになっちゃうとは…。

物語は『デッドプール』へ続く…(もちろん嘘です)。